安全にパソコンを処分するためのコツ:1.なぜパソコンをそのまま捨ててはいけないのか?
はじめに
パソコンを買い換えるとき、新しく、何を買うかということだけではなく、それまで愛用していた古いパソコンの処分方法にも、気を遣わなければなりません。
パソコンは、一般的なゴミや粗大ゴミとは異なり、さまざまな機能を伴うハイテクな存在だけに、手放してからの危険も視野に入れておくべきでしょう。
捨てることを考えるとき、古くて状態が良くないものともなれば、悪用などの危険性は感じにくいかもしれません。ところが、そのような状態であっても安心はできないのです。
特徴や注意点を正しく知って、安全に処分するようにしましょう。
なぜパソコンをそのまま捨ててはいけないのか?
パソコンは、自治体の指定するゴミ袋に入らないような大きさでもないため、単純に捨てるだけであれば、そこまで困らないでしょう。
しかし、安易に捨てることは、おすすめできません。
なぜなら、情報に関する危険が伴うこと、また、近年関連した法律が社会に浸透していることから、独自の捨て方が基本となりつつあるためです。いずれにおいても、正しい知識を持っておいて損はありません。
まずは、なぜパソコンをそのまま捨ててはいけないのか、パソコンをそのまま捨てることにおけるデメリットをお伝えします。
情報流出の危険性が残る
まず、何よりポイントになってくるのが、やはりこの情報流出への懸念でしょう。
パソコンには、膨大なデータが蓄積されています。見られても特に問題ないもの、少し恥ずかしい思いをする程度のものであれば、そこまで心配はいらないかもしれません。
しかし、中には、大事な人間関係が凝縮されたアドレス帳や仕事に関するデータ、各種サービス利用のためのIDやパスワード、さらにはクレジットカード使用履歴なども含まれるかもしれません。
自分のみならず、他人まで迷惑をかける恐れが出てきてしまうのです。見られるだけなら、まだ良いですが、その情報が闇ルートで取り引きされたり、実際に悪用されて金銭的被害などが起こるケースです。
処分する以前に、細心の注意を払うことが必要です。
また、もう一点忘れてはならないのが、自分では消したと思っていても、完全に消去しきれていないケースです。
各パソコンには、ゴミ箱やそれと同じ意味合いの機能が、必ず存在するはずです。
これを利用すれば、わずかなステップでデータを消せます。ただし、このステップを経ても、まだ記録媒体の深部では、データが残り続けていることも少なくありません。
素人目には消えていても、悪用のプロが手にすれば、簡単に情報を取り出されてしまいます。そのため、自分で消せたと思っていても、まだまだ安心はできないのです。
PCリサイクル法に関する問題
PCリサイクル法とは、2003年より施行されている、その名の通りPCのリサイクルに関する法律です。すでに施行後10年以上が経過しており、世間的認知度も低くありません。
電気店や不用品回収業者においては、なおのことです。ただこれは、決して損をする法律というわけでもありません。
パソコンにPCリサイクルマークがついていれば、メーカーによる無料回収を利用できるため、個人で処分するよりお得かつ安心です。ただ、古い機種に関してはこのマークがついていないこともあるようです。その際は、別途3,000円が必要となります。
回収方法については、各社ホームページでそれぞれ調べる形です。いずれにおいても知っておくべきなのは、そのまま捨てるという流れは一般的でないということです。
法律に従って、正規に廃棄することが大切です。
流出する危険がある個人情報とは
ここでは、流出する危険性がある個人情報について、より詳しくご紹介していきます。
種類だけでなく、どのようなものがそれに該当するのか、また流出することでどういったリスクが懸念されるのかを掘り下げました。
危険性を知ることで、さらなる正しい処分法への意識向上に繋げられます。
連絡先が入ったアドレス帳
アドレス帳には、メールアドレスの他、氏名や住所、電話番号なども含まれるかもしれません。
主要な個人情報がまるまる盗まれるとあっては、どのように悪用されるか気が気ではないといったところでしょう。
例えば、詐欺の電話がかかってきたり、メールを通した不正サイトへの誘導、悪質なダイレクトメール送付、その他情報そのものの売買などです。近年は、これら個人情報そのものだけでも価値があるとして、闇ルートで売買される時代です。どのような行為に繋げられるかわからないため、特に重要な流出情報の一つとなります。
大事な知り合いに被害が及ぶだけでなく、人間関係が崩れることも懸念されます。
仕事に関するデータ
身近な知り合いもさることながら、仕事関係の連絡先・データ・資料も重要です。
仕事先や顧客へ迷惑がかかってしまえば、それこそ死活問題に発展しかねません。
そうならないようにと最善を尽くし消去していても、記録媒体深部に残ってしまっていることが十分考えられます。気をつけましょう。
IDやパスワード
近年のウェブサービスは、多くがこのID・パスワードを通した利用方法を採用しています。
これにより、それこそ個人情報の流出を防ぐことに繋がるためです。しかし、この2点がそのまま流出してしまえば、そんなセキュリティ機能も意味を成しません。
大事なデータが盗まれたり、世間的に知られたくない情報が拡散してしまったり、さらには成りすましでサービスを利用されてしまったりと、あらゆる被害が懸念されます。
クレジットカード情報
クレジットカードがあれば、ネット上からあらゆる買い物を楽しむことができます。
銀行振り込みやコンビニ支払いといった選択肢もありますが、スムーズさを考えれば、やはりクレジットカードの方が便利に感じられます。
この情報が残ることによって、悪質な業者へ渡るなど悪用されないよう、各クレジット情報の記入ページでは、情報暗号化などを駆使してセキュリティ面を強化していることが多いです。そのため、直接的な金銭的被害が起こることは考えにくいですが、買い物履歴や利用ショップを知られるというのは、あまり気持ちの良いことではないでしょう。
これもまた、気にしておくべき流出です。